小宝島の自然(十島村誌・十島村誌追録版より) | |
地象条件 | 小宝島は北緯29度13分,東経129度19分に位置し,面積1.16km2,最高点は竹山102.7mで島の中央に位置し,全島が隆起珊瑚礁からなる。有人島としては,最小の島である。 石灰岩が全島を占めていて,所々に浸食から残った岩塔状の岩山が屹立(きつりつ)している。これらの,古い時代に隆起した山体を裾礁が取り囲み,他の島では見られない特異な自然景観を呈している。 この島の海岸には,サンゴ礁の亀裂から湧出する温泉があり,簡単な湯溜りを作って利用されている。 小宝島は周囲に隆起石灰岩の発達した島で,この隆起石灰岩は段階的になっており,高位にある面は約2400年前に大きな地殻変動で隆起し,続いて次の下位の面は役1300年前に隆起運動で隆起したとされている。 この隆起運動は,宝島についても同様に起こっていることから,小宝島,宝島の地域はここ数千年以内に激しい隆起運動のあった島々であることが分かる。また,島の中央部の台地状の竹山にも石灰岩があり,鮮新世から更新世のころには海に没していたことが分かっている。 |
海象 条件 |
○ 湯泊 透明度20m・水深8m。平坦な地形であり,岩盤である。岩盤の表面には,30~40%サン ゴが付着しているが,サンゴの大きな群れはない。この特徴としては,ナンヨハギが多いポ イントということである。 ○ 家の下 透明度15m・水深15m。地形的に起伏が多く,目を楽しませてくれるポイントであ る。地 形の中にはホールも見られる。岩盤表面には石サンゴ類の他,ソフトコーラルが多く見られ る。 ○ 小島 透明度12m・水深20m。変化の少ない岩盤地帯であるが,魚類が多く見られる。 |
魚類相 | 小宝島の魚類相のうち,科ごとの出現種数の多い順に挙げると,①ベラ科,②スズメダイ科,③ハゼ科,④ニザダイ科,⑤チョウチョウウオ科,⑥ハタ科,⑦イソギンポ科,⑧ブダイ科,⑨イットウダイ科,⑩テンジクダイ科 |
植物 | 小宝島は面積が小さく植物の種類もそれほど豊富ではない。海岸部の隆起石灰岩上にはテンノウメ,オキナワハイネズ,イソフサギ,ホソバワダンが多く見られ,やや内陸部ではアダンやサトベラ,マルバニッケイ,ヒトツバハギなどの群落も見られる。台地状の竹山はほとんどがリュウキュウチクやハチジョウススキに覆われている。 |
小宝島の名所 | |||
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赤立ち神 | うね神 | 接岸港 | 赤立ち神海水浴場 |
ばんや | そうとうじ | 大岩屋 | はしけ |
湯泊温泉 | 横瀬海岸 | 奇岩群 | ガジュマルの森 |